L×L

「はは…」


「…？なんであんたも笑ってんのさ？」


「やっと笑った」


「え…？」


「あの日から何かそっけないじゃん？お前。ずっと怖い顔してるし」



―矢澤くんの好きな人って誰？―



「あっ…」



そう。好きじゃないって言い聞かせるたびに遠のこうとしてた。

そうでもしなきゃ無理だったから…。



「はぐらされたから…。はぐらかされたから怒ってたんだよ！！」


「は？」


「で、どうなのさ？先輩とは…」



あれから３ヵ月…。

あんたなんか好きじゃないし大嫌いだもん。もう大丈夫。

ね？ちゃんと笑えてるでしょ？



「お前、それ信じてんの？」


「へ？」



何その顔…。

そんな真剣な顔で見ないでよ。

あの時と…



―俺のこと嫌いって言った時のお前が一番お前らしくて好きってこと―



同じ顔…しないで。



「だって、そうなんでしょ？」



また好きになってしまうから。



「俺のこと、好きでもない女にこんなに構うヤツだと思う？」



何言ってんの？こいつ…。

それじゃあ、まるで…あたしのこと…。



「思ってるよ」


「…。ははは。本当、お前らしいね」



そんな風に笑わないでよ。

これ以上、あたしに構わないで。



「萩原」



雨、降ってきた…。

まるであたしの心の中みたい…。



「俺、萩原が好きだよ」



好きで…溢れてる…。