L×L
「田原ねぇ。お前のこと好きなんだよ?」



あらまぁ…。堂々とそんなこと言っちゃいますか?



「嘘」


「なんでそう思うの?」


「友達の好きな人をそんなに簡単に暴露する人見た事ありません」


「へぇ…。つまんない反応」



いやいや。人の反応を楽しもうとしているあんたは悪趣味すぎだろ。



「矢澤くんって…性格悪いね」


「それ、本人に言うヤツのほうが性格悪くね?」



あっ。それはごもっとも…。



「まぁ…。でも、なんで矢澤くんってモテんの?」


「カッコイイから」



は?何ですと?



「相当な自信でございますね?」


「だって今のクラスだけでも3分の2の女子には告られてるはず」



はず…?記憶できないくらいなんですかね?



「あっそ。あたし、帰る」



こいつと話してると頭痛くなるわ…。



「ねぇ…萩原」


「何?」


「お前、俺のこと嫌い?」



矢澤くんは笑顔だった。

なんで笑顔でそんなこと聞く?

嫌いじゃないって言われる自信があるとか?



「うん。矢澤くんみたいな人大嫌い」



どうだ?参ったか

ていうか、なんで嬉しそうなわけ?



「そっか」



好きなものは好き。

嫌いなものは嫌い。

世界はそう成り立ってるってあたしは信じて疑わなかった。



「俺もお前みたいなの大嫌い」



あたしはまだ知らない。

好きと嫌いの境界線…。
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