俺様彼氏とあたしの関係。
【蓮司】



亜香里の部屋で2人きりで飯食ったりしてたせいで、記憶がナイ事なんて忘れてた。



つい癖で亜香里を呼んでしまった…。



「なぁに?」

「えっ!?あ、何でもねぇ…。」



いつもみたいに抱きしめてしまいそうだ…。



「蓮司君、ケーキ食べよ♪」



亜香里はケーキを皿に出してる。



実はケーキはもらい物じゃなくて、仕事帰りに買ってきた。



亜香里と話す口実がほしかったんだ。



亜香里がケーキとコーヒーをテーブルの上に置いて、一緒に食べる。



こうしてると錯覚してしまうんだ。



亜香里の記憶がナイ事なんて忘れてしまう。



「蓮司君。」

「ん?」

「気になってたんだけどさ…。あたしは蓮司君と付き合ってたんだよね?」

「あぁ…。」



俺は亜香里が記憶をなくしてからは、付き合ってた事には触れてこなかった。



亜香里からしてみれば、触れられたくない事だと思ったし、俺自身、はっきり別れを告げられるのが怖かったから…。


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