俺様彼氏とあたしの関係。
エンジン音以外は静かな車内。



「寒いな…。」



今は12月。



夜の車の中は冷えきってる。



蓮司は自分のダウンを脱いであたしに渡してきた。



「すぐ暖まるからコレかけてろ。」



これじゃあ蓮司が寒いじゃん…。



でもそれを言わせないのが蓮司。



蓮司から借りたダウンはスゴく暖かかった。



「シートベルトしとけよ。」



それだけ言うと蓮司は車を発進させた。



ドコに向かってるのかなんかわからない。



でも聞かないよ。



今は蓮司に従いたいんだ…。



「蓮司、ごめんなさい…。」

「もういいし。俺も山城にキスされたしな…。ごめんな…。」



蓮司はそっとあたしの手を握ってくれた。



冷たいけど、どこか暖かい手。



やっぱり蓮司以外考えられないよ。



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