ハーレム ブラッド
「私にも味見、させてもらうわ。」

「え?」

「良いじゃない…少しだけ…」



「な!?」

幸大が驚いたのは血を吸おうとしたことではなく…


「やりますね…」

ギリギリ…


咲子の攻撃を止めたことだった。


「蒼月の眼…初めて見たわ。」

「冥土の土産になると良いのですが…」

咲子が言う。


「ふふっ…

幸大君の血をいただくまでは死ねないわ。」


「おばあちゃん!!」

クーニャが部屋に入ってきた。


「あら…もう来たの?」

「幸大君に何してんの!

血は吸っちゃダメって言ったよ!?」


「…。

幸大君、クーニャみたいな御子様よりも満足させてあげれるわよ?」

ダリシスが言う。

「おばあちゃん!!」

「クーニャ、あなたにまかせるわ。」


「!?」

ぶんっ!

ダリシスが咲子を片手でクーニャに投げた。

「ひゃうん!?」

「クーニャさん、しっかり受け止めてください。」

咲子が言う。



「今のうちにいただくわ。」

ギンッ!

爪、牙、そして…


「黄昏の眼…」

幸大が言う。

「ふふっ…」

口を開けて首筋に…

ガキンッ!


「!?


何?

堅い?」

ダリシスの牙は首筋を覆う赤黒い鉄血の幕に阻まれた。


「すんませんけど…無理矢理ってのは好きじゃないんで。」

幸大が言う。
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