ハーレム ブラッド
数分後


やっと落ち着いて話ができるようになった。

「悪かったわ。

ほんとは孫が気に入った人間って言うから見たかっただけなんだけど…

あなたの能力を聞いて合点がいったわ。


吸血鬼には持ってこいの能力。」


「おばあちゃん、私は幸大君の血だけが目当てじゃないよ?


言うなら恋ってやつだよ?」


「ふざけたこと抜かすと口を縫いますよ?」

咲子が言う。

「まぁ、クーニャが誰に恋しようと良いけど…


あなたにその覚悟はある?」

ダリシスは幸大に真剣な眼差しを向けた。

「覚悟?」

「私はもう100歳を超えてるわ。


吸血鬼はね、不老なのよ。


死ぬことはあっても老いることはない。

幸大君はいつまでも老いない吸血鬼を将来の伴侶にできるかしら?


多くの吸血鬼は伴侶が亡くなると血も吸わずに衰弱して死ぬの…


私の夫は私が子供を身籠ってる最中に死んだわ。


でも…子供がいたから死ねなかった。

産み育てる間に死ぬ機会を失ったのよ…

死ぬのがイヤになったの。


あなたはクーニャに必ず寂しい思いをさせるのよ?


それでも一緒にいる覚悟はあるの?」
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