ハーレム ブラッド
数分後

そこには殴られて顔を真っ赤にした間宮の姿があった。


「ほら、財布を出しなさい。」

「は、はい…」

姫野は財布から紙幣を抜き出す。


「しけてるわね…

小銭は残しといてあげるわ。」


「どこの不良だよ…」

幸大が言う。

「さて…

今度おかしな真似をしたらあんたの家は火事になるわよ?


しかもあんたの部屋から出火して。」

「ひぃっ!?」

「さぁ…失せなさい。


あんたたちも。」

間宮と他の男たちはゴツい奴を担いで去っていった。


「悪かったわね…」

「え?」

「昨日と言い、今と言い…

あなたを巻き込んだわ。


無関係なあなたを。」

「今日はともかく、昨日は俺が首を勝手に突っ込んだだけだ。」

「…。」

「さて…戻るか。

って言っても保健室に行くんだがな。」

幸大が歩き出した。


「本当に…ごめんなさい…」


「だから良いって…

…!?」

幸大が振り向くとそこには土下座する姫野が居た。


「な!?

おい!?」


「今さらだけど…

やっぱり、私はあなたが好きです。」


涙声が響く。

「榊…」

「土下座なんて形だけのモノで許してもらえるとは思ってないわ…

でも…」
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