ハーレム ブラッド
「外せ!!

さっさとこれを!!」


吸血鬼が言う。


「外してほしいなら静かにしろ…」


「うるさい!!

さっさと…」


「ふぅ…」

幸大は吸血鬼に背を向ける。


「何でそっちを向く!


これを外せ!!」


「おいおい…

俺の言うことも聞いてくれないのに俺が従うと思うのか?」


「くっ…!」


吸血鬼が黙る。


「さて…まず、


俺は人間だ。」


「嘘つくな!!

また騙す気か!?」


「また?

どういうことだ?」

幸大が言う。


「前にも人間だとか言いながら騙したんだ!!


お前もだろ!!」


「…。

ったく…」


幸大が上着を脱ぐ。


「これ…なんだと思う?」


幸大が首筋を見せる。


「吸血鬼は傷なんか簡単に治るよな?


それにこれは吸血鬼に血を吸われた痕だ。」


「そんなに…たくさん…」


毛布から声がする。


「ああ…

っと…まずは拘束具を外すか。」


カチャンッ…


吸血鬼の左足が自由になる。


「ちゃんと足をおく場所があんのか…

てっきりマジで磔かと思ったが立てるようになってるんだな。」


「おい、他のも外せよ!!」

「断る。」

「なんだと!?


外しやがれ!」
< 164 / 500 >

この作品をシェア

pagetop