ハーレム ブラッド
「…。」


「おい!」

マリアが言う。


「何だ?」


「会話しないと拘束具は外さない…とか言って脅さないのかよ?」

マリアが言う。


「会話っつーのは楽しくするんだ。


お前らの嫌なことを無理矢理聞き出そうとは思わない。


会話するのに名前を知っていたら便利だから無理矢理聞いただけだ。」


幸大が言う。


「お前の名前は?」

マリアが言う。

「幸大だ。」

「あっそ…」


「聞いといてそれかよ…」


「…。」

「…。」


沈黙が流れた。


「じゃあ…俺の話をするから聞いてくれないか?」


「…。」

マリアは無言。


毛布は縦に動く。




「俺には吸血鬼の知り合いが何人かいるんだ。


その中でも3人…いや、最近は4人の吸血鬼と仲良しでな…



一人は…今、色々あって一緒に暮らしてる。

一人は…さっき一緒にいた人の娘。


一人は…教師。


…。

後の一人は…特にないな。


ああ…

その一人はちょっと頭が残念な感じでな。

今日から学校で補習を受けてるよ。」



幸大は部屋の真ん中に座る。
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