ハーレム ブラッド
しばらくして…


「スー。スー。」

マリアが寝息をたてて眠る。

「目を腫らして…泣いてない、か。」


幸大が言う。


「なぁ…毛布。


お前の毛布、マリアに貸してやってくれないか?」

幸大が言うと毛布が近づくが途中で止まる。


「マリアが怖いのか?」

毛布が縦に動く。

「俺は?

怖いか?」

毛布が左右によじれる。


「そっか…

ほら、見てろよ?」


ぷにっ。

幸大がマリアのほっぺをつつく。


「な?

起きてたら殺されるけどな…」

「…。」

「毛布…とってくれないか?」


毛布は動かない。


「マリアに貸すとかはおいといてさ…


俺はお前の可愛い顔をもう一度見たいんだけど…」


「…!?」

びくっ!


毛布が驚く。


「そんなに可愛いのに隠すとか勿体ないだろ…


是非、見せてくれ。」


毛布が僅かに近づく。


ガシッ!

マリアの手が毛布を掴んだ。


「え?

マリア…起きてんのか?」


「…。」

ぷにっ。

ほっぺをつつくが起きない。


「寝惚けてんのか?」
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