ハーレム ブラッド

「それに…先生に紹介したい奴らもいますから。」

「誰？」


「実は、最近ＶＡＰってところでバイトをしてまして…」

「ＶＡＰで？」

「はい。

先生も知ってましたか。」

「おそらく翡翠の眼の吸血鬼は皆知ってるわ。


人間との共存がコンセプトの組織だから。」


「ああ…なるほど。


で、メンタルケア部門というところでバイトしてて吸血鬼と人間のメンタルケアをやらせてもらったんです。


それで次の段階に移ると適応訓練っていうのがあって、社会に適応するためにってことで俺の家で預かることにしたんです。」


「へぇ…

岡田君は偉いわね。」

「いえ…

それで先生のことも少し話しました。」


「え!?

な、何て話したの？」

「吸血鬼の中には先生みたいな優しくて可愛い女性もいる、と。」


「そんな…は、恥ずかしい…。」


「いやいや…本当のことですよ。」



「岡田君…」


「さて、もう少しで終わりますよ。」


幸大が手を早める。


「なんか、変わったわね。」

桂木が言う。


「え？」

「なんか、お父さん…って言うよりもお兄さんって感じかな。


包容力が出てきたと思うの。」

桂木が優しい眼で見る。

「包容力…ですか。」

「なんか…良いと思う。」

「先生への愛が俺を成長させたんだと思います。」


「ひゃうっ!?

わ、わわ、私への愛が!?」

「さて…終わりました。

じゃあ…俺は教室に戻ります。」

「あ…うん。」

「じゃあ…夏休み初日に集まりましょう。」