ハーレム ブラッド
「本当なら鈍器で殴りたかったわ。」


姫野さんはクーニャさんの抑止力です。

「お!

良いもの食ってるな!!」


マリアさんも休み時間毎に幸大さんの教室に来ます。


あ、マリアさんは幸大さんたちの隣のクラスです。


「マリアちゃんもどうぞ。」

「サンキュー!」



「さて…もう1つもらうぞ。」


おや、幸大さんは行儀が悪いですね。

タルトを持って歩き出すとは。


「ここに置いとくぞ、咲子。」


え…?


幸大さんは私に気づいていたんでしょうか?


幸大さんは今、廊下にある自分のロッカーにタルトを置きましたよね?


授業が始まり廊下に人がいなくなりました。


ロッカーを覗くと鉄血の皿におかれたタルト。

イチゴジャムです。


「いただきます。」


美味しいです。

幸大さんはしっかりと皿に置いてくれましたし…何よりも…私に気づき、私のためにタルトを置いてくれたことに嬉しさを感じます。


幸大さんはズルいです。

連れないですし、鈍感で、チキンでヘタレで、いつもは気が利かないのに…

「優しくて、甘い…から。

好きなんです。」


タルトはイチゴジャムの酸味がありましたが気にならないくらいの甘さが心にありました。
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