ハーレム ブラッド
「これなら親にバレずに私を泊めてもらえますね。」


「ふざけんな、帰れ。」


「せっかく尾行を…って、その首の傷は?」

家出少女が言う傷は吸血鬼の噛み痕。

「さぁな…」


「吸血鬼…ですよね?」


「…。」

「それに動脈から吸われてます。」

「お前も吸血鬼か?」


「はい。」


「待てよ?


吸血鬼は17歳で成人だろ?」


「私は違います。

すでに完全な吸血鬼です。」


「何でだ?」


「これはほとんどの吸血鬼は知らないことですが…

吸血鬼の子供…つまり17歳未満の吸血鬼が成人した吸血鬼から血を吸われると…


成人したのと同じ状態になります。

牙、爪、翼、身体能力。


私は両親に血を吸われました。」

「両親に?」

「両親は2人とも吸血鬼でした。

吸血鬼は吸血鬼から血を吸えません。


そして両親は成人前の私から血を吸いました。」

「両親は吸血鬼でした…って、まさか、死んだのか?」

「はい。

両親は衰弱していて外に出ることもできませんでした。

そして一番近くにいた私から…」

「そうか。」

「それでも私は運のいい方です。」

「ん?」

「成人前に吸血鬼になった者は力を抑えきれずに暴走して…

最後には体内の血液が循環せずに死んでしまいます。」
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