ハーレム ブラッド
「血を吸わせてください。」

「いきなり話がとんだな…

嫌だ。」

「こんなに頼んでもダメですか?」

「そんなに頼んでないだろ…


てか、今まではどうしてたんだ?」

「さっきみたく駅裏で男性を引っかけて、ホテルで噛みつき血をギリギリまで吸って気絶させて逃げてました。」

「それでよく恨まれないな…」

「吸われた人は目が覚めても血が少なくて意識が朦朧としてますから、何で気絶したかも不鮮明です。」

「酷い奴だな…」

「というわけで血を吸わせてください。」

「嫌だ。」

「他の吸血鬼には吸わせてますよね?」

「仕方なくな。」

「私にも吸わせてください。

動脈の血は初めてです。」

「嫌だ。

そこら辺のオッサンから吸ってろ。」

「私だってちゃんと選んでます。

血だってちゃんと腕からですし。」


「首筋じゃないのか?」

「気持ち悪いオッサンじゃなくとも見ず知らずの男性の首筋には噛みつきませんよ。」

「そうなのか?」

「でも…

確かにあなたには吸血鬼を惹き付ける何かがありますね。

特殊な何かが…


あなたから血を吸った吸血鬼は何か言ってましたか?」

「惹き付けるとかなんとかは初耳だな。」
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