ハーレム ブラッド

「帰ったんじゃなかったの？」

姫野が言う。

「幸大さんからのお願いで他のクラスの偵察をしてましたから。」

咲子が言う。

「咲子ちゃんは幸大君の言いたいことがわかるの？」

クーニャが言う。


「もちろんです。

ヒントは幸大さんの言った私情は持ち込みたくないという発言です。」


咲子が言う。


「わからないわ。


幸大…言いたいことがあるならハッキリ言いなさい。」

姫野が言う。

「きっと怒んないから。」

クーニャが言う。


「はぁ…

その…あの…だな。


お前らがコスプレした姿を、他の奴に見せたくない…。」

幸大が顔を目を逸らして呟くように言った。


「あ…」

「にゃ…」


「何だよ？」

幸大が言う。


「ったく…

初めからそう言いなさいよ。」


「そうだよ。

もぉ、幸大君は独占欲が強くて仕方ないにゃ〜。」



「こんな恥ずかしいことは言えねぇっつーの。」

「ふふっ…

最近余裕の溢れている幸大らしからぬ言葉ね。」

姫野が頭を撫でる。

「うるせー…」


「なら…諦めようっと。」


「しかし、他に出し物を考えないとな。」


「ならばお化け屋敷はどうでしょうか？」

咲子が言う。

「お化け屋敷？」

「はい。

それならばコスプレではなく衣装ですし、怖さを追及するならば幸大さんの危惧するような衣装はないかと。」


「…それ、良いかもな。」