ハーレム ブラッド
「幸大さんはスケコマシですね。」

咲子が言う。

「嫌か?」

「嫌ではありませんがもっと紳士的でも良いかと。」


「英国紳士ってやつか?」

「そこまでは期待してませんよ。」


二人は向かい合い微笑み合う。


「英国紳士か…

じゃあ…」

幸大は手を伸ばす。


「Shall we dance?
(踊っていただけませんか?)」

「Yes,with pleasure.
(喜んで。)」

咲子の手をとる。


「つーか、英語なんか話せたのか?」

幸大が言う。

「幸大さんが宿題をやる時、いつも隣にいますから覚えますよ。

それに暇な時に英和辞書を読みますから。」

「咲子が学校に通ったら間違いなく天才になるだろうな…

今からでも…」

「わかってませんね。」

「え?」

「幸大さんの隣にいる人は、そして幸大さんを引っ張る人は…姫野さんやクーニャさん。先生やマリアさんもいます。

まぁ…沙羅さんも一応。」

「…。」

「ですが…幸大さんを陰から支えているのは私しかいませんよ?

幸大さんは自分が思っている以上に脆くて弱いのを私は知ってます。

だから、私は幸大さんのお側で支えたいんです。

それ以外には何も望みません。」


「なら…支えていてくれ。

ずっと…ずっと。」

「ええ…幸大さんを一人立ちなんてさせませんからね?」


二人は笑い、口づけをする。
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