ハーレム ブラッド
「俺は吸血鬼じゃない。

だから、お前らほど永くは生きれない。

俺の一生なんてお前らにしたら一瞬に近いかも知れない。


だから、俺のことを忘れてほしくないし、お前らを好きだって気持ちも隠したくない。


でも、いつか俺が死んだとき…

お前らには死なないでほしい。


人間と吸血鬼の夫婦の多くは人間の方が死んだとき吸血鬼の方が血を吸わずに命を絶つと聞いた。


でも、お前らには生きてほしい。

そして、永く生きれば、また他に好きな奴が現れるかも知れない。

それは、もしかしたら俺の生まれ変わりかも…って可能性もある。


お前らが俺の死後に誰かを好きになったときに…俺への義理立てや遠慮なんかしないでほしい…


お前らは俺を甘いとか優しいって言うけど…お前らも負けてない。

だから、お前らの心の奥底に踏み込んだら…お前らの心に何かを刻み込んだら…

きっとお前らは好きな奴ができてもその気持ちを抑えて…嘘をついて…ごまかす。


俺が死んでも尚、お前らを縛り付けるなんてしたくない…

だから…踏み込めない。


うまくは言えないけど…伝わるだろ?

言いたいことはさ…」

幸大が悲しそうに笑う。
< 385 / 500 >

この作品をシェア

pagetop