ハーレム ブラッド
「わからなくていい。

俺はきっと、親から宝石をもらっても嬉しくないし、そもそも…ただの色のついた石だろ。」

幸大が言う。

「さすがに違うと思いますけど…」

沙羅が言う。

「それでも…大した価値があるようには思えねぇな。」

幸大が沙羅の涙のあとをハンカチで拭く。


「価値はお前が決めるんじゃない!!


大勢の人間が決めるんだよ!!」

佐藤が言う。

「あっそ。」

「ぐぬぬ…

どこまでも馬鹿にする気か!!」


「いや…宝石よりも価値が高いものはたくさんあるだろ?」

「確かにこの指輪よりも高級な宝石は大量にある!!

だが…宝石には何億…いや…何兆もの値がつく…


人間なんかよりも価値の高い宝石だってある!!」


「悪いけど…俺は宝石に命をかける価値はないと思ってる。」

「は?」

「人間よりも価値が高いものは確かにあるのかもな…

まぁ、見たことないからわからないが…


だけど…石ころに命をかけるほど俺は馬鹿じゃない。


それよりも…お前が宝石よりも価値が低いと言った人間に…


沙羅や他の皆には命をかけるだけの価値があると思っている。」

「は?

馬鹿か?

お前も愛が一番だとか言う善人気取りかよ!!」

佐藤が言う。
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