ハーレム ブラッド
「ぷはっ!


幸大さん…うるさいです。」

「吸われてる間は暇なんだよ。」

「とにかく行ってきます!」

「待った。

俺も行く。」

「危険です。」

「大丈夫だ。」

「万が一幸大さんがこんがり焼けたら困ります!」


「こんがり…」

「血は誰からもらえば良いんですか!?


動脈の血、すごく美味しかったです!

初めてお腹一杯に血を吸いました!


これほど吸血鬼にとってありがたい人間はいませんよ!?」


「取り合えず…予想通りの答えをありがとう…


とにかく大丈夫だ。

ほら、さっさと行くぞ。

俺は飛べないんだから運んでくれ。」

「抱きつきますか?」

「他に方法は?」

「私が飛んで幸大さんの手を引っ張って飛びます。」

「それで頼む。」

「チキンですね。


では…」


バサッ!

翼が生えた。


「余り…眼は見ないでくださいね?」

「え?」

ギンッ!


「青い眼?

赤色じゃないのか?」


「赤いのは…鮮血の吸血鬼です。

血を吸うと凶暴性が増します。

好戦的ですよ。


私のは蒼月の吸血鬼。

冷酷で残虐な吸血鬼です。


さ…行きますよ!」

ガッ!

鋭い爪を備えた手で幸大の腕を掴むと空へと飛び立つ。
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