ハーレム ブラッド
「吸血鬼の王の血。

王の血液。

どちらでも良いが…知ってるね?


例の怪物吸血鬼を倒した張本人なんだから。」


「だったら何だ?」

「あの怪物は失敗作さ。


何がまずかったと思う?」


「…。

吸血鬼の王の血は血そのものが血を吸収するんじゃなかったか?」

幸大が言う。

「そう。

つまり…血液が足りない。

吸血鬼はそもそも人間よりも理性が弱い。

王の血液の後押しもあって暴走し誰彼構わずに吸血行為をした。


だが…君なら…暴走することはない。


無限の血液を持つんだろう?」


男が言う。

「…どうやって知ったか知らないが…その通りだ。」

幸大が言う。

「あの怪物は我々も監視していた。

そしてVAPにもスパイがいる。」


「我々って誰だ?」


幸大が言う。

「吸血鬼の王による世界の改変。

それを望む。」

「は?」

「VAPのコンセプトが人間との共存ならば…


我々は吸血鬼の王と吸血鬼による人間の支配が目的だ。」


「人間の支配?」

「ああ。

優れた吸血鬼が人間と同等であったり吸血鬼というだけで虐げられている。


人間と吸血鬼…どちらが上か思い知らせ…人間を奴隷として扱う。」

男が夢を語るように嬉々として言う。
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