ハーレム ブラッド
「厨二かよ…」

幸大が言う。

「ふっ…

君は妄想だと思うかい?

これでも…」


ザッ…


空間をさらに灯りが照らす。


完全に明るくなった空間には大勢の人々。

多くの男女が幸大を見つめる。


「こいつらが…全員…」

幸大が言う。


「全員?

違うな。

これは一部だ。


我々の組織の総数はVAPよりも僅かに多い。


VAPは翡翠の眼の吸血鬼が多いが我々のほとんどは鮮血、蒼月、黄昏の眼の吸血鬼だ。

全面戦争になればVAPなど簡単に滅ぼせる。」


「くっ…」

「さて…これが何か解るかい?」

小瓶に入った紅い液体。

「話の流れからして吸血鬼の王の血だろ?」

幸大が言う。


「そうだ。

VAPに回収されたものを奪った。」

「それを俺に?」

幸大が言う。


「ああ。

そうだ。」

小瓶の血液を注射器で吸い上げた。


「抵抗したら人質がどうなるか…解るね?」


男が幸大に近づく。


「抵抗しない。

だから、あいつらには傷一つつけるな。」


幸大が言う。

「ああ。

それは絶対に約束しよう。」

男が言う。
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