ハーレム ブラッド
「そんなことはない…」

マリアが言う。

『では…仮に幸大とマリアが結婚したとして何が変わる?』

「夫婦に…なる。」

マリアが言う。

『それは儀式だ。

儀式から産まれた産物でしかない。

学校の卒業式で卒業するモノを卒業生と呼ぶのと変わりない。



余が言うのは…行動と言う点だ。

卒業式ならば、学校から去るための儀式であり、それが終わると学校から去るのだ。

では…結婚という儀式が終わったあとにはどのような行動がある?

分かりやすく言うならば…夫婦という肩書きになった時に何をするか…を問うておる。』


「一緒に暮らしたり…相手を愛したり…」

『幸大の記憶を辿る限り…その行動はマリアはすでにしているな?


現に、この家で共に暮らしており、そなたらは幸大と相思相愛だと思うが?』

「ぐ…」


『難しく考えるな…

何も変わらぬ。

それで良い。』

「ヴァン…

お前は…側室とかいっぱい居て…幸せじゃなかったのか?」

幸大が言う。

『ならば死のうとは思わん。

ただな…側室とかではなく…ただ1人の女性に会ったときから余の考えが変わったことがある。』

「ダリシスさんか?」

幸大が言う。
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