ハーレム ブラッド
『うむ。

私は彼女が私を愛してくれれば世界の全てが変わる気がした。

結婚を…

婚礼の儀を行いたいとは思わなかった。

ただ…愛してほしかった。



それをそなたらは時代の流れに沿い、愛し合うならば結婚するべきだなどと思っているから…マリアは幸大の愛を受け止めれずにいて、

幸大はマリアが受け止めれずにいるから全力で愛せなくなっている。

違うのか?』

「否定はしない…」

マリアが言う。

『幸大もだ。

結婚という儀式では…何も産まれん。


まぁ…結婚で己の決意を表すのは悪くはないがな。』

ヴァンの赤い球体の体が優しく回転した。

「結局、私はどうしたら良いんだ?

この指輪もどうしたら…」


『つまりだ…

いや、あとは幸大から聞けば良いのだが…

結婚や婚約の儀式などを考えずに…

そのプレゼントの意味を先に考えよ。

プレゼントの意味がわかってから儀式の形式を考えよ。


これだけ言ってもわからんなら…あとは己で悩め。


余は眠るのでな。』


それっきりヴァンが黙る。

「幸大が指輪をくれたのは…婚約以外では…何かあるのか?」

マリアが言う。


「あのなぁ…

指輪をプレゼントしたのは好きだからだ。」

「モノじゃ釣られないぞ、私は。」

マリアが言う。
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