ハーレム ブラッド

幸大は職員室の前で優衣を待つ。


「幸大君。」

「先生、ありましたか？」

幸大が言う。

「それが、今、ちょうど印刷室にコピーしに行ってる生徒がいるんだって。


だからその人から原本を受け取ってくれって言われたわ。」

優衣が言う。

「じゃあ行きましょう。」

幸大と優衣が印刷室へと歩き出す。



廊下

ドンッ！

曲がり角で優衣が誰かとぶつかる。

「きゃっ!?」
「あっ!?」


優衣もぶつかった相手も体勢を崩すものの転ばない。

しかし…


バサッ…

ぶつかった相手の手からプリントの束が落ちる。

「おっと…」

バババッ！

幸大が地面に落ちる前に拾った。


「あの…ごめんね？

怪我はない？」

優衣が言う。

「はい。

こちらも不注意でした、すみません。」


ぶつかった相手である眼鏡を掛けた女子が言う。


「これ…過去のテストのコピーか？」

幸大が拾ったプリントを見る。

「はい。

今度のテストと同じ時期の過去５年間のテストです。」

女子が言う。

「あの…これの原本貸してほしいの。

私たちもコピーしたいから。」

優衣が言う。

「何部ずつですか？」

女子が言う。

「３部ずつだが…」

幸大が言う。


「だったら、どうぞ。

クラスの人たちで欲しがってる人たちのもコピーしてきたので、余分に数枚多くコピーしてきたので。」

「あ、ありがとう。」

優衣が言う。

「助かった。」

幸大がプリントを受け取って言う。

「では。」

そう言って女子が立ち去る。

「委員長って感じの雰囲気だな。」

幸大が言う。

「確かマリアちゃんのクラスの委員長よ？」

優衣が言う。