ハーレム ブラッド
「あら…まだ、そういうことはしてないの?


ふぅん…

ま、良いわ。

私がリードしてあげる。」

瑠奈が幸大に顔を近づけた。

「か、かか、顔が近いですよ!?」

沙羅が言う。

「それに…チキンでもヘタレでも…関係ないんじゃない?

人間の欲はその程度じゃ止められないわよ?

ましてや理性よりも本能で動く吸血鬼よ。

彼をまったく欲情させれないあなたたちに問題があるんじゃないかしら?

ねぇ?」

瑠奈が言う。


「そんなの関係…」

マリアが言い掛ける。

「関係ないかしら?

貴方に初めて会ったとき…もう少しで私のモノにできたのよ?

そこの…確か、先生よね?

その邪魔が入らなかったら彼とキスもしていたわ。」

瑠奈が言う。

「いや、あの時は…」

幸大が言う。

「状況がどうあれ…私に欲情していたし…あのまま邪魔が入らなかったらどうなっていたか解るわよね?」

瑠奈が言う。


「…。」

誰も何も言えなくなる。


「そういうわけで…私と、これから…どうかしら?」

ギンッ!

黄色い瞳が幸大を見つめた。

「ふふっ…」

瑠奈が幸大にキスをしようとする。

「止めなくては…」

咲子が言う。

『その必要はなかろう。

黄昏の眼をもってしても王には勝てぬ。』

ヴァンが言う。
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