ハーレム ブラッド
放課後


「なぁ、幸大。

たまには駅前に行こうぜ?」

校門を出たあたりで行正がやって来る。


「そうだな。」

「いや〜久し振りだな、幸大と放課後に遊びに行くなんて。

いつもは榊さんと山下さんが居たから誘いづらかったけどよ…

あ、別にその二人が邪魔とかじゃなくて…」


「誰に言い訳してんだよ…」

「ゲーセンの前に本屋に行こうぜ?」

行正が言う。

「私も一緒に行って良いですか?」


「ああ、もちろん…って…え?」


行正が立ち止まる。


「はぁー…」

幸大の溜め息。

「お前の知り合い?」

行正が言う。



「…咲子、なぜここに?」

幸大が言う。

「こんな美少女が校門で出待ちすると言う素晴らしいシチュエーションにも関わらず、幸大さんは気づかずに横の方と共にガン無視とは傷心ですよ…」

咲子が言う。


「幸大…誰だよ?」


「飯島咲子です。

幸大さんとはちょっとした知り合いです。」

「知り合い?」

「はい。

幸大さんのご実家の近所に住んでます。」


「本当か?」

行正が言う。

「別に今の会話に嘘を入れる必要もないだろ…」

嘘を入れるのではなく真実を隠した会話。
< 61 / 500 >

この作品をシェア

pagetop