ハーレム ブラッド
「へ?」

行正が間抜けな声を上げた。

「そうですね…


行正さんは幸大さんと山下さん、榊さんとの関係にどう思ってましたか?」


「まぁ…

高嶺の華だった二人だからな。

遅かれ早かれ疎遠になるとは思ってたけど…


幸大は普段はできるだけ関わりたくないみたいだったからな…」

「普段は?」

「ああ。

その代わり、二人が貧血で倒れたりふらついたら一目散に駆け寄って保健室に運び込むんだよ。

まるで救急車だな。」

「余計なことを言うな。」

「まぁ…

学校でも有名な二人が幸大に接近してアプローチ紛いのことをするもんだからすぐに学校の噂になったりして…

幸大にも不穏な影が近づいてたがこれで一件落着だよ。

二人にはもう彼氏がいるんだから。


さて、着いたぜ!!」



ゲーセンに飛び込む行正だった。




「幸大さん…」

「どうした?」

ゲームの騒音の中の会話。

「幸大さんは二人のことを好きでしたか?」


「…。

何で?」


「普通なら二人に対して未練があったりするかと…」

「多分…好きだ。

ただ、あいつらは俺が吸血鬼にとって便利な能力を持ってるから言い寄ってる…って感じが強くてな。」
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