ハーレム ブラッド
「この力…」


クーニャが言う。

「ええ。

そうですよ。

ただ、幸大さんとあなたは無関係。

幸大さんはあなたに会わないと言う約束で私はあなたを助けることを認めました。」


「…。」

「そこのあなた。」

男性に言う。

「はい…」

「彼女をこの病院に連れていき、すぐに帰宅しなさい。」

一枚の紙を咲子が渡す。


「良いですね?

言う通りにしないとあなたもこの不良たちと同じ目に遭います。」


「わ、わかりました。」




クーニャを連れて男性が立ち去る。


「で、病院って?」


「吸血鬼のいる病院です。


何も言わずに輸血をしてくれます。


実は、姫野さんにも教えてあります。」

「そう言えば一週間経つのに倒れたって聞かないな。」


「お二人が倒れたら幸大さんはきっと助けようとします。」


「かもな…」

「最低ですか?」

「え?」

「お二人が幸大さんから離れたと聞いて、二度と幸大さんのもとに戻らないように工作する私は最低ですか?」


「いや、思わない。


血だけを目的に一緒にいる奴らなら居なくて良い。」


幸大が言う。

「もしかしたら、血ではなく幸大さん自身が好きだから一緒に居たのかも知れませんよ?」

「だとしても、何かされて諦める程度のモノなら要らない。


本気なら、どんなことされても諦めるわけないだろ?」


「幸大さんはロマンチストですね。」

「うるせー。」
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