ハーレム ブラッド
教室



「幸大、お疲れ。」

「まだ、放課後に仕事があるんだよ…」

「うわ…

安請け合いだろ?」


「…あんな救いを求める眼で見つめられて断ったら良心が痛む。」

「だから皆、眼を合わさないんだよ…」

行正が言う。





昼休み


「ごちそうさま…っと。」

「幸大、サッカーに…は行かないよな?」

行正が言う。

「わかりきったことを聞くな。」
「たまには行こうぜ?」

「いつかな。」





「咲子に帰りが遅くなるってメールしとくか。


…。」

メールを送信しながら幸大は考える。

「あれだけの量を放課後だけで…なわけないよな?


だからと言って他の生徒を誘うような人じゃないし…」


幸大が教室をあとにした。



「姫野さん…やっぱり眼で追ってるんだ。」

クーニャが姫野の席に来た。


「なんのこと?」

「べっつにぃ…」


「あなたは彼氏の所に行ったら?」

「ああ…

私は別れちゃったもん。」


「また?」

「皆、従順でつまんないんだよね〜。

下心丸だし。

どっかの誰かみたいにギリギリで悩む姿が見たいんだけどね〜。」

「あっそ。」

「姫野さんは彼氏とどう?」
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