ハーレム ブラッド
夜中


「ん?」


重みを感じて幸大が眼を開ける。


「…咲子?」

幸大に馬乗りになる蒼月の眼の吸血鬼、咲子。


「…。」

「…何か用か?」


「…。


私はやはり納得できないです。」


「クーニャのことか?」

「正しくは幸大さんがクーニャさんを許したことです。」


「…。

俺は物事を深く考えるのが苦手だからな…」

「私はいつか幸大さんを殺してしまうかも知れません。」

「そうか…」

「それも残酷な殺し方で…」


「何で俺は殺されるんだ?」


「わかりません。


嫉妬なのか…、幸大さんへの不満なのか…、


私の怒りに繋がる何かであるのは間違いありません。」

「…。」


「このまま私といると危険です。」


「じゃあ…どうしろと?」


「幸大さんが本気で私を拒むなら…この土地を離れます。


まぁ…拒まれた瞬間に殺さないとも限りませんけど。


それでも、いつまでも一緒にいると、幸大さんを私の手で…」


「俺がお前を拒んで…お前は納得するのか?」


「納得できなかったら…きっと幸大さんを殺してしまいます。」


「ひと昔前のトレンディドラマみたいだな…」
< 88 / 500 >

この作品をシェア

pagetop