ハーレム ブラッド
昼休み


「じゃあ…これをページ数通りに重ねてホチキスで留めてね?」

桂木が言う。


「はい。」

「はいはーい。」


幸大とクーニャが作業を始める。


「あ…これ今度の遠足のしおりですか?」

クーニャが言う。

「うん。

6時間目はバスの席とか、班を決めたりするの。」


「2年は遊園地ですよね?」

幸大が言う。


「ええ。

とは言っても私はクラスの皆をまとめれるか心配で…」

「まぁ、確かに…」

クーニャが言う。


「いや…先生が自身をなくしてどうするんですか。


先生も自分がまとめなくちゃとか思わないで一緒に楽しめるようにクラスの皆も協力してほしいとか言えば皆もやってくれますよ。」


「…本当?」

うるうるした目でさらに上目使い。


「うっ…」

「どうかしたの?」

桂木が言う。


「いや…その…


先生って動物みたいですよね。」


「え?」

「その何とも言えない愛らしさがあります。」


「えぇぇ!?

あ…愛らしさ!?

それって、私が、その、愛らしいって…

えぇぇ!?」

「幸大君。」

クーニャが近づく。


「ん?」

「えいっ!」

ぎゅぅっ!


クーニャが幸大の耳を引っ張る。

「な、何すんだよ!?」


「何となぁく。」

クーニャは作業に戻り、桂木は顔を赤くしながらブツブツと呟いていた。
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