剣と魔法と時々笑い。

「な、なんだと・・・!」



いつもの答えを返してるのに、いつも以上に怒る先生


中年で頭がテカテカしている目の前の先生は怒ると汗がたくさん吹き出てくる



その汗が蛍光灯の光を反射してテカテカ頭がピカピカ頭になる



正直、眩しい



ついでに云うと、私の学校は教師のハゲ率が高いと思う



ハゲじゃないのは女性の先生と理事長先生と私の担任兼陸上部顧問の小林先生ぐらいで・・・



ね、多いでしょ??



「そんなに余裕なら黒板の問題を解いてこい!出来なかったら反省文だ!!分かったな」



「はーい」



いつも同じ事言われてるけど、私、反省文なんて書いた事無いよ?



この先生馬鹿だよね



「次の式を因数分解せよ。・・・Y(X-1)+2(1-X)」



え、これ中学生の問題じゃないよね?



あ、それとも私の知らない間にこんな進んでたの?



・・・・・・まぁ、解けるからいいけど



「どーした、神田。解けないのか?」



ニヤニヤ〜と後ろで笑って見ている先生がムカつい



そーですか、そーいう事ですか



この問題、単なる私への嫌がらせで、他の人に教えるつもりは無い



私が解けるはずが無いと見越して出した意地悪問題だ


へん、ばかめ!



私は解けるのさ!



なんせ、高二までの教科書なら家にあるもんね☆



「X-1=Aとおくと、Y(X-1)+2(1-X)=Y(X-1)-2(X-1)=YA-2A=A(Y-2)=(X-1)(Y-2)」



教室には私の声とチョークのコツコツやらキュッキュッと云う感じの音しかしない



凄くしーんとしてた



「・・・で、間違ってます?」



私が書き終わっても先生はあんぐりと口を開いて固まってるだけで、うんともすんとも言わない



「ダメだこりゃ・・・」



目の前で手を降ってみたけど気付かない



それを見て、一人の男子が笑い出し、つられて他の人達も笑い出した



・・・最後になるかもしれない学校で、初めてクラスとの一体感を味わえたかもしれない



・・・・・・ちょっと、嬉しいかも



『良かったですね、神子様』



『うん!』



『・・・っ・・・///』



暖かい目を向けられ、私は素直に笑って答えた



のに、シルフィは顔を背けてうずくまる



・・・え、なんで?



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