剣と魔法と時々笑い。
―小林先生Side―


4時間目もあと15分で終わる



やっと昼が食える



そう思って気を抜いた瞬間に起こった予想外の出来事



「キャー!!!!」



突然の事で一瞬対応が遅れたが、悲鳴が聞こえた方を見る



そこには足を挫いて体育を見学していた熊田が尻餅をついて上を見上げていた



「おい、熊田。どうした?」



「せ、せせせ先生っ!」



一切こっちを見ずに慌てながら俺を呼ぶ熊田は微かに奮えていた



「く、くま、クマ!」



「え、クマ?なんだ、自分の名前噛んでるのか?」



「違う、クマ!動物っ!!」



「は?」



こんなとこにクマ?



そんなわけ・・・



不信に思いながらも近付けば四つん這いのクマ



「嘘、だろ・・・」



なんでこんな所に!?



俄には信じられなくて、固まってしまったが、俺の上着の裾を熊田が握り締め我に返る



そうだ、固まってる場合じゃない



熊田を、他の生徒をこの場から逃がさないと



「皆っ、校舎に入れ!速くっ」



俺は目の前の熊を見ながら叫ぶ



俺や熊田の様子がおかしい事に気付いた奴らが素直に従い、鈍い奴らを連れて校舎へ逃げる



熊田も逃がしてやりたがったが微かでも動いたらクマが襲って来そうで無理だった



「せんせっ!!」



「大丈夫だ」



大丈夫と言いつつ俺もどうしようかと内心焦りまくりだ



熊田だけでも逃がさないといけないんだ



どうすればいい



どうすれば・・・



「―――伏せてっ!」



―――バーンッ!!!!



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