剣と魔法と時々笑い。

―海斗Side―


「―――伏せてっ!」



叫びながら手から火を放つ



来る途中で教えてもらった呪文を唱え、魔法を繰り出す



―――バーンッ!!!!



おぉ!



出来た!!



でも、大きな爆発音と共に爆風が起こり、二つの人影が吹っ飛んで来る



あ、やり過ぎた?



「ええっと・・・、大丈夫ですか?」



土煙で誰だか分からないけど、影的に先生と生徒だと思う



今日の4時間目は1−4が体育の授業をしていたはず



そこから推測するに、この影は小林先生と1年生の女の子



何で女の子と思ったかと云うと、悲鳴の声が甲高い"キャー"だったから



男でそんな声出してたら気持ち悪い事此の上無い



「あ、あぁ。大丈夫だが・・・」



先生が返事をして、腕の中で守った女の子の方を見る



「ケホッケホッ・・・。その声、海斗先輩?」



お?



この声は、



「ベア?」



声でお互いが何と無く解りびっくりする



いや〜、まさか先生と一緒にいたのがベアとは驚いた


ベアは145cmと小柄で華奢な体格



そしてなんとも愛らしい顔つき、とかなり羨ましい容姿の持ち主



しかし、苗字も名前もあまり可愛らしくないという残念な事が



そこで、私は勝手にあだ名を作ってしまいました



"熊田梅"の熊からとりベア



これまた本人も気に入ってくれたので、採用です(笑)



「熊田も大丈夫そうだな。・・・神田、聞きたいことがあるんだが」



「はいはい、何でしょう?」



やっと先生達の顔とかが見えはじめ、二人がかすり傷程度の傷しかないことが分かった



「さっきの爆発はなんだ?・・・まさか、爆弾じゃ・・・?」



「ば、爆弾!?」



先生の問いに本気にしかけたベアが私から一歩後ずさる



「んなわけあるかっ!」



すかさずツッコミ私



そんな物騒なもの持ってるわけ無いじゃないか



酷いなぁ!



「で、ですよねぇ!」



「・・・しかし、ならどうやったらあんな爆発が起こるんだ?」



「えっあ、えっーと・・・。手品です!」



「は?」



「へ?手品?」



返答に行き詰まった私は咄嗟にごまかした



流石に「魔法です」とは言えない・・・




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