シンクロニシティー


 私の初恋。
 とても大切な、掛け替えのない宝物のような気持ち、そして時間。

 幸せだったな。

 それがこんな形で呆気なく終わりを迎えるなんて。
 私ってどこまでもついてない。


 こんな短期間のうちに、胸キュンとかトキメキとか、そんなの私なんかには全然似合わないのに、本当に一杯体感した。

 そのどれもが初めてで、新鮮で、一人で勝手に盛り上がって。


 バカみたいだ。



 その日の夕食も母と二人で食べた。


 父はいつも帰りが遅い。
 日付が変わってから帰って来ることもしょっしゅうだ。

 本当に仕事しているんだか。

 真実を知ってしまった今、それすらも疑わずにはいられない。


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