シンクロニシティー


「シュウヤさんのところ、もう行くのはよしなさい。迷惑でしょう? それに、一人暮らしの男の人の家に、そんな風に気安く上がり込むのはどうかと思うわ。琴子、あなた女の子なのよ、ちゃんとわかっているの?」

 私の方は見ずに目を伏せたまま母が言った。
 そうして、ビーフシチューをスプーンですくって口に含む。


 わざわざ言われなくたって、シュウとはもう会わないし。


 けれど反発する気力も、理由もなくて。
 ただ「うん」とだけ返して、私も赤茶色のドロリとした液体を口に押し込んだ。



 母は、どこまで知っているんだろう。
 シュウとは面識があるみたいだから、昨日私がシュウから聞いたことぐらいは、当然把握していて、それ以上のこともきっと。


 でもそんなの、もうどうでも良くて。

 私の中では全て終わったこと。
 気持ちの整理は出来ていないから、心の中は散らかったままだけど。


 とりあえず、
 自己完結。


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