シンクロニシティー


 母は、そんな私の反抗的な態度を咎めることもなく、何事も無かったかのように食事を続けた。

 面倒臭いのだ。
 関わりたくないのだ、私と。


 が、程なくして、母が再び沈黙を破った。

「琴子、最近学校良く休んでるんだって?
 昨日、大橋先生から電話があったのよ。
 お母さん、てっきり毎日行ってるもんだと思ってたのに。
 一体どこで何をしているの?」

「そうなのか? 琴子?」

 便乗するように発せられた男の声に、
 『居たの?』と、その声の主に視線をやる。


 父は、間違いなく私の視界に入っていた。
 けれども、本気でそう思った。

 無口で大人しく、存在感のない父。

 いらない、あんたなんか。


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