シンクロニシティー


「ナッチとカラオケ行ったり、ゲーセン行ったり」

 レイジに呼び出されて抱かれたり……


 テレビを見詰めたまま答えた。
 画面の中のお天気お姉さんは、今日も元気だ。


「菜摘ちゃんと?
 ねぇ、琴子。
 こういうこと、余り言いたくはないんだけど、
 お母さん、友達はちゃんと選んだ方がいいと思うの。
 ほら、菜摘ちゃん、ご両親が離婚されたばかりで、今ちょっと精神的にとても不安定な状態じゃない?」
 
 うちの母親は、どうしてこうも、不快な言葉ばかりを口にするのか。


「選んでるよ、ちゃんと。
 私が学校サボろって誘ってんの。
 友達選ばなきゃは、ナッチの方じゃない?」

 母の反応なんか、簡単に想像がつく。
 だから、それを見るまでもなく、私の顔が自然と緩んだ。


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