シンクロニシティー


「わかった、学校やめる」

 ポトン、と口から落とした。

 勢いを付けて立ち上がり、大きな足音をわざとらしく響かせながら、二階の自分の部屋へと向かった。


 やめてやる、学校なんか。

 あんたたちの為に、行きたくもないお嬢様学校に進学してやったのに。
 今さら『学費がもったいない』とか……
 
 まじウケるんですけど。


 ついでに出てやる、こんな家。


 ボストンバックに、お気に入りの服を何着か乱雑に詰め込んだ。
 あとは――
 財布、携帯電話、充電器、化粧ポーチ、それぐらいか。


 階段を滑るように下りて、そのまま玄関へ。

 ドアを勢い良く開け放って、息苦しい空間から抜け出して見上げれば、



 酷く淀んだ灰色が広がっていた。



 
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