シンクロニシティー
けれど脳裏に焼き付いたあの映像を思い出し、急に胃がグルリと回転するような不快感に襲われた。


たちまちそこから何かが迫り上げて来て、咄嗟に立ち上がって洗面台に顔を伏せ、堪えきれなくなったものを吐き出した。



汚い……。



自分の嘔吐物を見て、また吐きたくなった。


ゲホッゲホッとむせながら、必死でまた自分の中の異物を吐き出す。そんな私の背中をシュウは手早くバスタオルで包み、その上からさすってくれた。



ようやく吐き気が治まって顔を上げれば、洗面台の鏡には、ゲッソリとしたお化けみたいな酷い顔の私。その横に、鏡の中から切なげに私を見詰めるシュウが居た。


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