シンクロニシティー
透き通るほどに白く艶のある肌、眩いほどに美しく整った顔立ち。
女の子?
と、一瞬疑ったほど。
明るめだけれど落ち着いた色の長めのルーズヘアー。
白に極近い薄桃色の半袖シャツをはおり、カーゴデザインのクロップドパンツを腰履き。
ラフな服装ではあるけれど、
私には彼が――
王子様に見えた。
私なんかの元に、王子様が現れるはずないのに。
価値がないどころか、私はこんなにも不純で穢れていて。
そう、自分自身に言い聞かせ、ご都合主義な思考を慌てて払い除ける。
「あのさ、君。
オジサンが先にこの子に声掛けたんだわ。
もう話ついてるし。
悪いんだけど……」
「行こう」
王子様のような彼は、スウと私に向かって右手の平を差し出した。