シンクロニシティー
シュウのお母さんは大体の事情を知っているはずなのに、私を決して責めなかった。


「琴子ちゃん……綺麗になったのね」

ただ一言、ポツリと呟いて、懐かしむように目を細めた。



私たちはほとんど会話を交わすこともなく、シュウの病室に二人、ただ、佇んでいる感じだった。



でも、更に一週間ぐらい過ぎたある日、不意に彼女が口を開いた。

「病院に居ても、病態は変わらないらしいの」

「はい?」

何が言いたいのかわからなくて、中途半端な返事をして彼女を見た。



「今はもう、治療している訳じゃなくて、ただ、生命維持に必要な処置をしてるだけだから」

「ああ……」


私もそれは、何となく気付いていた。というか、そんなの誰でもわかる。



シュウが働いていた病院は、シュウを見捨てた。

でもそれは仕方がないことで。


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