シンクロニシティー
「うちに連れて帰ろうと思うの。看護師さんが週に一回来てくれて、医療的な処置はしてくれるって。それ以外のお世話は私が……。

秀也も最期はうちで過ごしたいだろうし。それに、そうしたら琴子ちゃんも、ずっと一緒に居られるし」


そう話しながら私に向けられていた視線は、全てを受容したように穏やかで。


こんな風に平然とシュウの最期を語るなんて、あんまりだ。

どうしてこんな時まで毅然としていられるのか、と。彼女のことを『冷たい』とさえ思った。



「琴子ちゃん、夜、秀也と一緒にいられるなら、昼間は学校行けるでしょ?」

「学校はもうやめるつもりです」

「どうして?」

「行きたくないから。両親ともちゃんと話し合って決めました。だからご心配なく」

「そう……」


また沈黙に包まれた。



けれどしばらくして、彼女は意を決したように再び口を開いた。


「ご両親はお元気?」


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