シンクロニシティー
きっとレイジはもう、私の嘘に気付いている。それを確かめようか、どうしようか迷っている。



そんなことはさせない。絶対に。


今、それをされたら、私の決心が揺らいでしまう。

それじゃ困るんだ。今の私がシュウの為に出来る事って、これぐらいだから。それを奪われたら――

私は生きていけない。




どちらにしても、


私は今日、死ぬ。






思い出の場所に辿り着いたら、シュウと一緒に来た時のことが走馬灯のように蘇った。



初めて告白した。

初めてキスをした。

初めて、幸せだと感じた。

初めて、自分を好きだと思えた。



全部、全部、初めてで。

シュウは私に、『初めて』を一杯くれた。


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