シンクロニシティー
「ふうん。そう」
「何だよ? 疑ってんのかよ?」
「別に……。過去のことなんかどうでもいいよ。でも、もしも今、浮気したら許さないから。もうすぐ生まれるこの子の為にも、パパにはちゃんとして貰わなくちゃ」
妻はそう言って、大きくなった腹を愛しそうに右手で撫でた。男もつられるように、その膨らみにぎこちなく左手で触れる。
「その子、今、どうしてるの?」
「何だよ、過去のことなんかどうでもいいんじゃねぇのかよ?」
「過去のことじゃないじゃん、今のこと聞いてんじゃん」
「きったね」
「どこがよ?」
二人はじっとりと睨み合う。
けれど、すぐにプッと同時に吹き出した。
「今か……。今は、好きなやつと幸せにやってるよ、多分。俺がフラれた後、二人は結ばれたから。ようやく一緒になれたんだ」
「レイジ、踏み台にされちゃったんだ?」
「うるせぇよ、ほっとけ。けど、俺とルミコが今、こうして幸せでいられるのは、この子のお陰だから」
言って男は、目を細めて微笑んだ。
***
「何だよ? 疑ってんのかよ?」
「別に……。過去のことなんかどうでもいいよ。でも、もしも今、浮気したら許さないから。もうすぐ生まれるこの子の為にも、パパにはちゃんとして貰わなくちゃ」
妻はそう言って、大きくなった腹を愛しそうに右手で撫でた。男もつられるように、その膨らみにぎこちなく左手で触れる。
「その子、今、どうしてるの?」
「何だよ、過去のことなんかどうでもいいんじゃねぇのかよ?」
「過去のことじゃないじゃん、今のこと聞いてんじゃん」
「きったね」
「どこがよ?」
二人はじっとりと睨み合う。
けれど、すぐにプッと同時に吹き出した。
「今か……。今は、好きなやつと幸せにやってるよ、多分。俺がフラれた後、二人は結ばれたから。ようやく一緒になれたんだ」
「レイジ、踏み台にされちゃったんだ?」
「うるせぇよ、ほっとけ。けど、俺とルミコが今、こうして幸せでいられるのは、この子のお陰だから」
言って男は、目を細めて微笑んだ。
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