シンクロニシティー


「嫌……ではないけど。
 あの、ほら、やっぱり……
 私たち、付いてるものが付いてなかったり、付いてないものが付いてたり……」

 おずおずと、
 そんな訳のわからないことを口にした。


 しばしの間、静寂の中で私たちはジッと見詰め合っていた。

 けれど突然、シュウが耐えかねたようにプッと吹き出した。


「え? な、なに?」

 一体何が起こっているのか、全くわからなくて。
 目の前で楽しそうに笑っている美しい人をただ呆然と眺めていた。


「ごめん、冗談だった」

 笑いながらも一生懸命言葉を発する姿が、なんだかとても可笑しくて。
 私もつられて笑ってしまう。

「付いてる、付いてないとか……
 ホントにコトは可愛いなぁ」

 笑い声をなんとか静め、それでも顔は笑ったまま、シュウは息を切らしながらもそう言った。


< 40 / 296 >

この作品をシェア

pagetop