シンクロニシティー


 浴室を出て、着替えを用意していなかったことにようやく気付く。

 確か、鞄は玄関に置いたまま。

 バスタオルを身体に巻き付け、そのまま玄関へと向かった。


 しゃがみ込んで鞄の中を弄り、大きなため息を吐いた。

 全部が、ぐしょりと濡れている。
 きっと、絞れば水が滴り落ちるだろう。


 仕方がないので、シュウに何か着るものを借りようとリビングへ向かった。

 こんな格好、裸とそう変わらない。
 そう思うも、シュウは私の身体には興味ないから平気、と自分自身を励ました。


 リビングへ行くと、シュウは二人掛けソファの上に横たわっていた。
 ソファの長さが足りず、膝から下がニョッキリはみ出している。


< 42 / 296 >

この作品をシェア

pagetop