シンクロニシティー


「ねぇ、シュウ……
 なんでもいいから、着るもの貸して」

 シュウの頭のすぐ横に回り込んで、その傍らに両膝を落とし、肩に軽く触れてそっと揺すってみた。

 それに反応して薄く目を開けたシュウは、ぼんやりとした視線を私に向けた。

 まだ夢の中にいるような虚ろな眼差し。
 まるで子どもみたいだ、可愛い。
 思わず顔の筋肉が緩んでダラリとなってしまう。

 そのまま少し待ってみた。


 シュウは怠そうに両腕を持ち上げ、私に向かって両手を差し出した。

 引っ張り上げろってことかな。

 目の前のしなやかな10本の指に胸の中がくすぐられているような不思議な感覚。

 恐る恐る両手で受け取ろうとすると、スルリとかわし、白くて長いそれは私の首の後ろに巻きついた。


「ちょ、ちょっと! シュウ?」

 焦燥しきってしまい、どうすることもできずにいると、シュウは、ほんの少しだけ私に頼って半身をゆっくりと起こした。


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