シンクロニシティー


 レイジはこんなにも近くに居るのに、その言葉は私の心には届かない。
 ただ、行き場なく空間に漂う。


 レイジは私の『身体』を手放したくないのだ。
 それは私も同じ。


 傷を舐め合うだけのセックス。
 そこに愛情などない。

 だから、心が満たされることもない。
 けれど、ほんの少しだけ隙間を埋められる。


「平気。
 援交でもしてホテル代稼ぐから」

 強がりでもなく、レイジへの当て付けでもなく。
 あんな寒い家に帰るくらいなら、身体を売った方がましだ。


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