シンクロニシティー
「やめろって、そんな冗談。
全然笑えねぇ」
言いながらもレイジは、乾いた笑い声を漏らした。
冗談だろうが、本気だろうが、レイジにとってはどうでも良いのだ。
決して賢くはないけれど、こういう時、冗談として聞き流すのが最も都合が良いということはわかるらしい。
私は肯定も否定もせず、ただ、笑顔を作って見せた。
元通りに服を着終えて立ち上がる。
ふと、ベッドサイドの姿見に視線をやれば、ここへ来た時と何も変わっていない『私』がそこに居た。
「バイバイ」
永遠か、束の間か。
どっち付かずな別れの言葉を残し、部屋を出た。